ローマの休日(1953)

たまには映画の感想書かないと。

 

 

ローマの休日」は私が10代最後の日に見た映画です。20歳の誕生日を迎えるにあたって、そうだ10代最後に思い出に残るような映画を見よう! と思いついたはいいものの何を見るか決まらず悩んでいたところ、近所の映画館で「ローマの休日」を上映するということで、未見だったこともありちょうどいいわと思って見に行きました。

正直、当時の感想をあんまり覚えてない! 「思い出に残る」とは……?
オードリーめちゃくちゃかわいいなと思って、そのあとマイ・フェア・レディも見たことは覚えているんですが、素敵な恋愛映画でしたぐらいの感想しかなかったような気がします。

それから10年以上経ち、先日の金曜ロードショーで途中からですが見ました。たぶん、10年前よりアン王女のことをかわいく感じている……! アン王女の年齢ともかなり離れましたしね。昔見た作品の再鑑賞というものは得てしてそういうものですが、当時は同世代だったり年上だったりした登場人物の年齢をどんどん追い抜いていって「憧れのお姉さん」が「守るべき年齢の女の子」になったりするんですよね。10代の頃はアン王女(に感情移入できていた)私ももうジョー・ブラッドリー側ですよ。グレゴリー・ペック、公開当時まだ37歳ですって! 渋!

10代の頃は「素敵な恋愛映画でした」と思ったものの、ローマの休日が恋愛映画かどうかというのは難しいところかなと思います。主題が何かと考えると、やっぱり恋愛ではないのではないか? 「ロマンス」という言葉には「冒険」という意味も含まれるので、そういう意味ならとってもロマンスかもしれない。金曜ロードショーのあとツイッターで感想を読んでいて、とても共感したのが「ジェラート食べるのも髪切るのもアン王女は誰かに付き添われるのではなく一人でやるんだね」というものでした。そうなんですよね!! 1000リラがどれくらいの価値なのかも分からない(価値を知らないけど「こんなに!」という反応を返すところはとてもかわいい)王女様が一人でジェラート買ってサンダル買って髪切って、もうこれだけでも冒険なのよね。その後だって主体的に動いている部分がとても多いし。

今の時代、無駄な恋愛要素が物語の邪魔になるという感覚が視聴者にも制作側にも浸透してきていて、物語のラストで登場人物が雑にくっつくと「はい解散」となる気持ちは私も持っているところです。しかしながら、今作以降もかなりの期間「恋愛要素がない映画は売れない」と言われる時代が続きますので、時代背景を考えると作中の恋愛要素は一口に批判できるものではもちろんない(当時既に恋愛要素に飽き飽きしていた人もいるとは思います)。時代背景ということで言えば、自由な恋愛を夢見る人がどれほどいたかと考えると、恋愛の物語に精神の解放を見出した人はたくさんいたでしょう。まあいつの時代だって丁寧に描かれた物語なら恋愛映画だってなんだって面白いんですけど、ローマの休日2020年代の映画として見たら「えっ今のキス何?」と思ったと思う。時代背景って映画鑑賞とは切り離せないなあと思います。

 

吹き替え自体は、我が家でも例に漏れず「ホットペッパーのCMだ」と話題になりました笑
ダニエル・クレイグ版007の方がよっぽど古臭い言い回しをしている気がする。私は回りくどく古臭く気取った言い回しが大好きです。

 

余談ですが、髪を切る前のアン王女の髪型みたいなの、高校生の頃からずっと憧れの髪型なんですよ~「エースをねらえ!」の英さんが似た髪型でしょ? あれをやりたくて、おばあちゃんにカーラーを借りてがんばって髪を巻いたりしていました。今でもやりたい! ふわふわくるくるのパーマは夢!