コルセットへの解放

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地元駅の名物ロリータおばさんになるのが夢です。

高校生とかに「駅にロリータのおばさんいるじゃん、あのおばさんがよくいる店で集合しよ」みたいなランドマークになりたい。

”夢”というかそろそろ”目標”にすべき年齢になってきた。

 

私がロリータファッションに本当の意味で出会ったのは高校生の時で、友人から教えてもらったのがきっかけ。

当時はとてもじゃないけどお小遣いで3万円のスカートを買うことなんてできなくて、お店を覗いてみたりひたすらオンラインショップを眺めたりして憧れを募らせていました。

高校を卒業してアルバイトができるようになって、コンサートに行くことをきっかけに生まれて始めてスカートを買い、それから少しずつワードローブを膨らませて今に至ります。

1万円前後で可愛いジャンパースカートが買える世の中になっているということをつい最近まで知らなかった……

 

高校生の頃にロリータファッションを買えなかったのには金銭面以外の理由もあって、母があんまりいい顔をしなかったんです。私が買ってきたゴスロリバイブルとか、ダメ元で誕生日プレゼントに服をねだってみたりしても難色を示していました。

ロリータファッションどころか、高校生になるまではスカートもあまり履かせてもらえなかったので、何がそんなに嫌なんだろうなあと当時はぼんやりと思っていましたが不満というほどのことはなく、自分で服を買えるようになってからは「スカートをほとんど履けなかった反動なのでは……」と思ったりした程度でした。

 

ところがふと思い出した出来事が自分の中でなんとなく繋がったんです。繋がったというか繋げたというか。

※以下、幼少期に暴力を受けた経験のある人のフラッシュバックを誘発する内容がわずかですが含まれますので、閲覧にはご注意ください。

幼稚園児の頃、よく行く近所のスーパーで迷子になったことがありました。泣いていたところに小学校高学年~中学生くらいの男の子2人に声をかけられ、一緒にお母さん探そうという感じで(インフォメーションカウンターはなかった)一緒にスーパーの中をうろうろし始めてすぐ、私がおじいちゃんを見つけて走り寄ったきり、男の子2人がどこに行ったかは記憶にありません。たぶんおじいちゃんと直接話してはなかったと思う。

当時衝撃的だったのは、迷子になったことよりもその後両親に連れられて警察署に行ったこと。男の子2人に何を言われたか、どんな人だったかなどを聞かれたと思います。

長い間、大袈裟だな~警察署はレアだったな~というだけの思い出でしたが、大人になった今考えてみれば当たり前の対応なんですよね。「小学校高学年~中学生くらい」というのは実は、ナップサックを背負ってたなどの背格好から思い出された後付けの記憶で、5歳くらいの子供がそんな情報から小学生か中学生か、大人か子供かということを保護者に正確に伝えられるかというと難しいでしょう。子供が迷子になって「知らんお兄ちゃんに一緒に行こうって言われた」なんて言い出したら青ざめますよ。子供の性別に関わらず。声をかけたのがお兄ちゃんでもお姉ちゃんでも。

そんな出来事があったら『カルバニア物語』の「コーディの金髪」みたいに髪を短く切ったり男の子の服を着せたりするかもしれない。

 

私は忘れているだけかもしれないショッキングな記憶がフラッシュバックしたことも一切ないし、髪を短く切られるどころかずっとロングのポニーテールだったし、着せられてた服もズボンはズボンなりに可愛かったし、まあ関係ないかな~と思っています。万が一何か出てきたら怖いので、改めて両親に聞いたりはしないけど。何事もなかったとしても、自分の子供が迷子になって警察署に連れて行くような事態になったことは両親にとっていい思い出ではないだろうし。

 

と、こんな感じで、繋げようと思えば繋げられるエピソードがあるのですがここまで書いた感想、記憶は無意識に改ざんされることがあるのである程度のエピソードを並べると自伝は嘘をついているという罪悪感なく簡単に脚色できるなあと……

↑これ書きながら私が思い浮かべたのは某絵本作家なのですけど、性暴力被害を告発する人への攻撃になりかねない一文なので打ち消し線を引いた上で残しておきます。

 

 

話を戻しまして。

ロリータファッションで歩いていると、意外と変なふうには絡まれることは少なくて、私はクラシカル趣味なのもあってか世代が上のお姉さまに「お人形さんみたいねえ」と声をかけて頂いたり、同世代の子が「それ○○のワンピースですよね? 私大好きなんです! かわいいですね!」と話しかけてくれたり。

私は声をかけられるのは全然平気だしむしろ嬉しいぐらいですけど、嫌だと思う人もそれなりの数いると思うので常識の範囲内で生活してください。同意を得ていない写真(盗撮)は論外です。人として失礼のない範囲で接するのが当たり前。

馴染みのない人は思わず好奇の目で三度見してしまうかもしれませんけれども、どうしてもちょっかいかけたかったら「あのロリータおばさんは確実に星だな」と100%の確証をとった時だけにしてください。お待ちしております。