書こうかどうしようかすごく迷っていましたが、書かずに後悔したくないな……と思ったので書きます。
個人的には今回の参議院選挙の最大の争点は改憲だと思っています。その中でも「基本的人権の尊重」。
他にも喫緊の課題は大量にありますが、憲法は本当に変わっちゃったらどうにもならないので。
自民党の改憲草案はデマです、っていうデマが出回っています。でまでまでま。
この草案（
https://jimin.jp-east-2.storage.api.nifcloud.com/pdf/news/policy/130250_1.pdf）がヤバいというツイートに対して、それは昔の草案で新しい今の草案はこっち（
【教えて！もやウィン】憲法改正ってなぁに？）ですという反論がついている、というのが主な形式のようです。
そもそも2つが対称になってないと思うんですが……新しい草案とされているサイトの中の「もやウィンの本棚」というページに、何の注もなしにヤバい草案へのリンクが貼られているので、新しいも何もないだろと思います。この状態で「撤回しています」というのは無理がある。
デマに対する反論は以上。
基本的人権の尊重に関しては、第十一条と第九十七条に記述があります。
自民党の改憲草案は、九十七条を削除して十一条を変更するというものです。
改憲派の言い分は「重複があるので片方を削除します」というものですが、
・そもそも片方を削除していいほど内容が重複しているのか？
・削除するにしてもなぜ最高法規として記述されている第九十七条の方を削除するのか？
・削除した上で十一条を変更する意味は？
・重複していると何か困ることがあるのか？ これまでにあったのか？
などの疑問があります。
現憲法はこちら。
第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
第十一条 国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。
第九十七条 削除
詳細な指摘はここでは省きますが、他の内容がどうであれ、ここを変えようとしてくる以上は私は絶対に賛成しません。少なくとも、もっと多くの専門家からの知見がなければ判断のしようがありません。一般人からしたら「何が違うの？」っていう文章でも、なるほどそういう解釈ができるのね、っていうのが法律の文章です。専門家がふんわりした理由で提示してきたものに、素人判断で「同じっぽいからいいか！」とするのはめちゃくちゃ危険です。何のための専門家か司法試験か。国民投票まで来ちゃったらイエス/ノーしか示せないので、全面賛成でない限りはノーの姿勢です。
誰に投票すればいいのか問題はほんと難しいんですよね……絶対に当選させたくない議員の対立候補に入れましょうというのが一番分かりやすいですが、じゃあ誰が一番ヤバいのかという話になるしね。
どこの党にもヤバい議員もまとも（だと思われる）議員もいます。なので党派性だけで判断できるものではないんですけど、特定の候補者一人だけ言及すると、ガチガチの保守政党内でいくら漫画家としての業績があろうともぽっと出の新人が既に決まりかけの制度をひっくり返せるとは思えないので、党派性鑑みずに個人の評価のみに基づいて投票するのは無理があると思います……ある党の候補者として立つ以上は、その党の人と話してるはずで、君はうちの党と全く違う考えだけど推薦してあげるよみたいなことが起きてるとは考えにくいじゃないですか～
政党のホームページをチラ見するだけでもなんとなく印象がつかめますのでぜひ。
一番いいのは実際に対面で人と話すことです。改めて口に出してみると、これ正しいと思ってたけど間違ってるなとか、考えがまとまりやすいので。
芸術の分野はとても政治に左右されがちなのに、政治的な発言がタブー視されているのはかなり危ういと思っています。
政治というか権力から独立すべきものであるからこそ、権力の動向を注視していなくてはならない。ということはみんな分かった上で公に発言しづらいというのもとてもとても分かります。
私の私見こみこみですが、反権力の代表格たる音楽ジャンルで長年インディーズで活躍しているアーティストが権力迎合発言をしていたりするのを見て本当にヤバいなと思ったり。正直言って、私見ですが、本当にかっこ悪いです。そういうスタイルもありなのかもしれないけど、ただでさえ「政権も大変だもんね」みたいな権力慮りムーブが起きつつある世の中で、メタルでそれをやるなよ！！ 私が知らないだけで、既にちょっとでも反権力しようものなら潰される世の中になってるの？ 政権寄り添いタイプの政治的コメントはいいけど批判はカッコ悪いとされるフェーズにあるのか？ ヤバいね！
反権力してる人への「そんなお前が支持してる政党はどうなんですか？ クリーンなんですか？」っていうのは山ほど見ました。そんなわけないだろ、完全クリーンな集団の方が少ないだろ、そんな政党あったら私もここに書いてるよ、と思います。
「今のままで大丈夫！」とおっしゃる方もたくさんいらっしゃって、私が陰謀論に染まっているのでは？ と不安になることも多々ありますが、それならそれでいいです。杞憂ならぜんぜんそれでいいです。
今回はテレ東で7/9に選挙特番が組まれるとのことですが、それもあんまりいい方向には行かないような気がしています。やるならせめて二日前では？ どこの政党も、誤解を招くような報道されても挽回の余地がないわけで……そして肝心の有権者も事実確認に24時間しか時間がないわけで……元々報道に信頼が持てていればこんなことも思わないのかもしれません。
私が書くことをためらった理由は色々ありますが、前にNHKの番組を見た感想としてFacebookで「差別問題に関しては口をつぐむのになぜトランプを支持するのか」ということを書いたときに「でも○○政策は良かった」というコメントをもらい、いや、それこそが私の疑問なんですよ、命より大事なものがある、っていうことを真正面から言われたように感じてめちゃくちゃ悲しくなった、ということがあったからです。
同性婚にも性教育にも選択的夫婦別姓にも反対してるけど他の政策はいいと思う、といわれる方もいらっしゃると思いますが、私は人権問題と経済政策などを同列に語りたくないですので他の人と話してください……
