ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2022)

ジュラシック・ワールドドミニオン見ました!
人間と恐竜の友情じゃなくて、人間が恐竜にパクパク食べられるところが見たいんだよね! という人の感想です!

 

恐竜が目の前で闊歩する姿に感動しつつも物理的距離と敬意は保ちたいというグラント博士たちの姿勢には共感するところがあったけど、新主人公コンビの考えてることは分かんないな……という気持ちを恨みがましく書いていますので残りは追記にします。

 

そもそも炎の王国ラストが不満だった組なのですが、結局回収してほしいところが回収されずに終わっちゃった……今年は6月末時点で「バイオハザードwtrc」(略し方不明)「トップガンマーヴェリック」しか映画館で見ていなかったのでこれでは年間ランキングが埋まらない、バイオが自動的に2位になってしまう、ということでJWドミニオンも見ることにしたんですけど、そういう理由じゃないと見ないくらい炎の王国の落胆が大きかったです。地球上の生き物は人間と恐竜だけなの? 生態系に対する認識ガバすぎない? っていう。で、見たはいいけど結局JWドミニオン鑑賞後のランキングはバイオが暫定2位です。

ドロミティ山脈保護区が元々どんな土地だったのか分からないけど、森林限界を突破するような高地ではないだろうし、噴火した直後で岩しかないような場所でもない限りは元々固有の動植物がたくさんいた可能性が高いと思うんですよ。そこに大型の草食恐竜を放ったらどうなるか。更には肉食恐竜の餌として「鹿を飼ってる」って言ってたけど、餌として十分な数のシカを放ったら植生が壊滅*1するのでは?
まあこれ言い出したら初代の島の時からそうでしょという話なんですけどね。フィールドワークしてた研究者に裁判起こされてもおかしくないのでは? 原作ではもしかしたら言及あったかも。しかしドロミティ山脈、上を歩けるほど湖面が凍っているかと思いきや全身水に浸かったクレアが全然寒そうじゃなかったりという不思議空間だったのは、細かいことは気にするなというメッセージだったのかな?

あとブルーは確かにかわいいんですけど、ラプトルのような獰猛な生き物を「かわいく思わせる」「親しみを持たせる」演出を繰り返すのはどうなのー、とも思っていて、恐竜は現代にいないからいいのかもしれないけど、ラスカルに憧れてアライグマを飼おうとした結果大量に野生化して大問題に*2、という話を思い出したりして見ていてしんどかったんです。なので指食いちぎられかけてたのは良かった。オーウェンは恐らく野生動物飼育のプロではないので仕方ないのかもしれませんが、恐竜との距離感が近すぎる。それに対して、旧作博士陣はあくまで野生動物にとる距離感以上の距離をもって接しているんですよ*3。接し方が違うだけでグラント博士はものすごく恐竜を愛しているのに、ラプトルの赤ちゃんをおんぶするオーウェンと対に置かれて「頭の固いジジイ」みたいな描かれ方したら嫌だな~と予告を見た時から思っていたのですがそんなことはなかった。ギリギリ精神の安定が保たれました。

旧作博士陣が出演するというのも鑑賞の決め手だったので、出番がいっぱいあったのはとても嬉しかったです! ジュラシック・パークのオマージュと思われるシーンもいっぱいで懐かしくなって、映画館に行ったその日にアマプラでジュラシック・パークを見ました。冒頭から人間が腕を食いちぎられるシーンを「これこれ!」とエキサイトしながら見ました。いくら獰猛な肉食動物だからといって無駄に襲いかかったりはしないはずだがお腹を空かせていたのだろうか? という疑問は無くはないですが、それよりもモササウルスのような大きな生き物が小さなカニの入ったカゴにわざわざ飛びかかるだろうか? という疑問の方が大きいので大丈夫です!


1作目だけではなく、ロストワールドでもⅢでもさんざん「人間と恐竜は共生できない、少なくとも適切な距離が大事」って言ってたのにどうしてこうなった……? 御せないからこそ恐竜にはロマンがあるんじゃないのかね。

 

私は映画館に連れて行ってもらった一番古い記憶がジュラシック・パークで、序盤のティラノサウルスに襲われるところで大泣きして途中退場したことをよく覚えていますが、両親ともにそんな記憶はないとのことなので捏造の記憶かもしれません……でもティラノサウルスに追いかけられる悪夢を何回も見たことは確かです。そのせいかまともにジュラシック・パークを見たのはたぶん小学校高学年の時? なので、うちのお母さんが「うちの子供たちに恐竜は響かなかった」と思っているのも無理はありません。でも私、高校生ぐらいの時にお母さんにUSJのお土産として恐竜フィギュアをリクエストしたんだけど……全て忘れられている。

 

出入り口に一番近い席で見たのですが、最初の60分で7人ほど出ていって1人しか帰って来ませんでした。いやあ途中退出するほどひどくはないしもう少し様子見てもいいでしょ、と思っていたら、暑がりの夫が凍えるほど館内が寒かったらしい。妊婦には快適な室温でした。まあ確かに、途中退出するほどひどくはなかったけど、劇中では恐竜に関しての新たな問題は何も発生せず既存の問題も解決しなかったので、これを恐竜映画のビッグタイトルの最終章としていいならCG集の方が良かったんじゃね? という感じではありました。3部作の2なら許せる内容。ナショジオ見た方がいいよ。

*1:野生鳥獣による森林被害:林野庁

*2:特定外来生物の解説:アライグマ [外来生物法]

*3:ジュラシックシリーズの恐竜は野生動物とは言い難いところがありますが、伴侶動物でもないことは確かです。旧作博士陣は、人間の力でなんとかできる生物ではないことを身にしみて分かっています。オーウェンもクレアも体感してるはずなんだけどなあ。