高校生の頃までは割りと読書家で、学校をサボって駅のベンチで小説を読みふけったりしていました。森絵都とか有栖川有栖とか小島てるみとか読んでた。
小川洋子作品との最初の出会いは「博士の愛した数式」ですね。読んだときには既に映画化されていて、タイトルを知っていたから手に取ったんだと思います。
家政婦として働く主人公が新しく派遣された先はどこか違和感のある大きなお家。依頼主が「ギテイ」と呼ぶ、離れに住む人の身の回りの世話をすることになる。元数学者である彼の記憶は80分しかもたない。家中どころか彼のジャケットまで覚え書きのメモでいっぱい。不思議な日々に主人公の息子まで加わって……
というような話です。もっと分かりやすいあらすじは公式とかウィキとか読んでください。
話逸れるけど、高校生のとき、夏休みの読書感想文用の本を買う時間があったんですよね。広めの教室に本屋さんみたいに本が並んでいて。たぶんその場で現金のやり取りはしていないと思うので、リストの中から欲しい本に丸をつけて受け取ったのかな? なんかその仕組みをうまいこと使ってたくさん本を買ってもらった記憶があります。
話が逸れました。
「博士の愛した数式」の感想はまた別の機会に。
小川洋子作品に出会うきっかけとなった大事な作品です。
小川洋子先生が叙勲されたときにもブログに書いたのですが、小川洋子作品には「これは私のための物語だ」と思える瞬間がいくつもある。「口笛の上手な白雪姫」と「約束された移動」という好きな短編集が2つあります。どの主人公も自分を重ね合わせるには特徴が違い過ぎているのだけど、どこか自分を重ねてしまう。
「口笛の上手な白雪姫」収録の同タイトルの作品には、銭湯でごく自然に子どもの世話をしてくれるおばあさんのような人が出てきます。誰に頼まれるでもなく、お母さんから当たり前のように子どもを受け取り、当たり前のように必要な世話をして、お母さんが自分の支度を終えると自然に子どもを返す。どんなに泣いている子どもも、彼女の口笛を聞けば不思議と落ち着くのだ。
みたいな話なのですが、これも公式見るか、ていうか短いのでぜひ読んでください。
私は自分では子どもを産まないと決めていた期間がそこそこあったので、この白雪姫のようになりたいと思っていました。そういう意味では自分を重ね、そっと胸に留めておきたい作品であったのです。
もし小川洋子さんにお会いできることがあれば、ないだろうけど、おこがましいけど、ありがとうございますとお伝えしたい。
そしてなんでいつもラストをちょっと悲しくするのか聞いてみたい。いや、これは野暮かな。
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あなたの会いたい人は誰ですか?
劇団芝居屋かいとうらんま第61回本公演
『或る夜の』
脚本・後藤卓也 演出・蒙古斑
★岐阜公演★
【日時】
9/15金 19:30
9/16土 14:00/19:00
9/17日 11:00/15:00
9/18月 14:00/オマケ
チケット好評発売中!
https://www.quartet-online.net/ticket/aruyoruno/entry?urd=HbRY5TNAf6